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認知症なら匂いがわからなくなっている!?

 
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ゆあパパ薬剤師
ゆあパパ薬剤師です。薬剤師にできることを探してブログから情報を発信しすることにたどり着きました。どんなことにも全力疾走です。走りすぎて、ばてることもしばしば…。でも、回復したらすぐに全力疾走します(笑)

さて今回もはじまりました。

いきなりですが、嗅覚障害になったことありますか?

ある方は注意が必要かもしれません。

なぜなら、嗅覚障害はアルツハイマー病やパーキンソン病のような神経変性疾患で先行して発症している可能性があるからです。

嗅覚と神経なんて関係ないんじゃ…

そう思うかもしれませんが、自分は嗅覚と脳の関係性については非常に興味を持っています。

実は、五感の中でも嗅覚は神経回路が他と異なっているんです。

そのため、脳への刺激に独特の性質があると考えています。

この嗅覚が神経変性疾患においての突破口になるとも考えています。

実際に、日本の国立大学でもアロマを使い嗅覚刺激によって認知症スコアを改善したという報告もあるくらいです。

そんな自分の中ではアツい領域に踏み込んでいきたいと思います。

それでは今回の論文を見ていきましょう。

 

 2017 Mar;88(3):226-232. doi: 10.1136/jnnp-2016-314638. Epub 2016 Dec 30.
A quantitative meta-analysis of olfactory dysfunction in mild cognitive impairment.
PMID: 28039318
タイトルは

『軽度認知障害における嗅障害の定量的メタアナリシス』

といった感じです。

軽度認知障害において過去の研究でも嗅覚についての試験を行っていたようです。

そして、アルツハイマー型認知症の発症機序に嗅覚系の変化があると考えられています。

また、嗅覚機能不全は、死後検査でアルツハイマー病の病理と相関しているのです。

結論としては、軽度認知障害でも嗅覚障害は存在しているとのことです。

ということは、普段から嗅覚には気を付けておくべきなのかもしれませんね。

次の論文を見てみましょう。

 

 2018 Apr 13;8(2). pii: E41. doi: 10.3390/bios8020041.
Olfactory Dysfunction as a Global Biomarker for Sniffing out Alzheimer’s Disease: A Meta-Analysis.

PMID: 29652815

タイトルは

『アルツハイマー病発症のグローバルバイオマーカーとしての嗅覚機能障害』

といった感じです。

アルツハイマー病の症例は、世界的な平均余命の増加により指数関数的に上昇しているようです。

嗅覚障害は、アルツハイマー病において観察された最も早期の前臨床症状の1つです。

嗅覚は、簡単に、安価に測定することができ、専門の臨床医や検査室の分析に依存しないため、世界中で使用される有望な初期のバイオマーカーなんです。

このように前書きでも書かれています。

やはり、アルツハイマー病かどうかを見分けるためには嗅覚を試験すればいいのですね。

結論は、嗅覚機能不全が前臨床段階で潜在的に起こることを示しています。

したがって、投与の容易さ、比較的安価で非侵襲的であるため、潜在的に他の従来のADバイオマーカーより優れている可能性があると述べています。

しかし、神経学的および臨床的にアルツハイマー病の多因子的性質のため、臨床診断の必要性を十分に満たす単一のバイオマーカーを産生する可能性は低いとのことです。

そのほかにもこのように書いてあります。

海綿体、海馬、および脳の一時的な領域のアルツハイマー病病変は、嗅覚の記憶や記憶が不可能であることを裏付けて、アルツハイマー病患者が提示された匂いを正しく識別できない理由を説明している報告もあります。

また、嗅覚障害の根底にあるメカニズムおよびこれらがアルツハイマー病病理とどのように関連しているかは、完全に解明されていないのが現状です。

嗅覚はアルツハイマー病の有望なバイオマーカーですが、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索を含む他の神経変性疾患においても指標になっています。

したがって、この分野における将来の研究は、アルツハイマー病のバイオマーカーとしての嗅覚の特異性を改善することに焦点を当てる必要があるとのことです。

ただし、まだ嗅覚領域や関連性も明らかになっていないため、今後の研究に期待ですね。

次の論文はこちらです。

 

 2018 Apr-Jun;12(2):123-132. doi: 10.1590/1980-57642018dn12-020004.
Olfactory dysfunction in Alzheimer’s disease Systematic review and meta-analysis.
PMID: 29988355

タイトルは

『アルツハイマー病における嗅覚機能不全体系的レビューとメタアナリシス』

という感じです。

結論は、アルツハイマー病は記憶を除いて、嗅覚領域の中で最も変化しているようです。

また初期の診断評価において、悪臭の特定を項目として明確に評価する試験を含めることの重要性を考えて評価項目に含めるよう検討されるべきだとのことです。

アルツハイマー病患者への嗅覚障害の存在は明らかであり、詳細な認知評価とともに、早期診断評価における項目としての臭気の同定、および予後の可能性を具体的に評価する試験を含める可能性が探究されるべきであるというのは納得です。

他の神経系の基礎研究の結果からも、海馬のような領域が破壊されてしまう状態になったら、嗅神経の細胞も障害を必ず受けていますから。

この時から、自分は神経変性疾患の突破口は嗅覚にあると強く考えていましたが、まだまだ研究は進んでいないようです。

 

どうでしたか?

においと神経変性疾患が関係していることには驚いたのではないでしょうか?

今後は老後に『におい』に大注目して生活していきたいものですね。

なぜなら、今は治療法が存在していませんから。

 

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ゆあパパ薬剤師
ゆあパパ薬剤師です。薬剤師にできることを探してブログから情報を発信しすることにたどり着きました。どんなことにも全力疾走です。走りすぎて、ばてることもしばしば…。でも、回復したらすぐに全力疾走します(笑)

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